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「え…?」
「人間と妖怪は結ばれる事はないからな。これは俺や瑠璃にも言えた事だが俺は心配ないな。」
「な…何あんた!自分は好かれる可能性でもあると思ってんの?!とんだ自己愛ね!!」
「馬鹿かお前。俺じゃなくても瑠璃のこと気に入ってたじゃねーか。」
そう言われてドキッとする。
「で…でも私だってそこまでじゃないわよ!」
「ならその方が好都合なんだよ。」
焦る私に九里は呆れたように言う。
だって本当よ!
だっていくらかっこよくても優しくても相手は妖怪。
一緒に生きていけるとは到底思えない相手だ。
それにさっき会ったばっかりなのにそんな…。
「破ったら地獄に強制送還だからな」
「また?!
どんだけ厳しいのよ!!」
「それだけ妖怪は人間の事が嫌いなんだ」
…そう言われては返す言葉も無い。
「心配はお前以外にもまだあるんだけどな…」
私の首に下げられた首飾りを見ながら九里は難しそうな顔をする。
「え?何の話?」
「…いや…まさかな…」
私の言葉を清々しいくらいに無視した上に勝手に自己完結させた。
その上あからさまにこいつ馬鹿だもんなっていう顔をこちらに向ける。
なにこれいじめ?
「んぅ…」
「あ…」
資料を拾う為にベッドに寝せていた赤ちゃんが起きた。
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