第一章

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「は?」 一瞬何を言っているのか分からなかった。 その青年の腕に抱かれているものを見て初めて、やっと意味を理解した。 腕の中にいたのは赤ちゃんだった。 睡眠を邪魔された赤ちゃんは「んんん…」とちょっとぐずったような声を出すとまた眠りについた。 その頭部には、人間にはありえない、獣の耳…。 よく見るとそれを抱いている青年にも、同じ耳…が…。 は… ははは… 「ごめん愛衣!私やっぱり疲れてるみたい! 先に帰って寝るね!ごめんね!!」 「え、ちょっ、はるな?!」 私の突然な行動に驚く愛衣をその場に置き去りにして私は走った。
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