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空が明るみ始めたばかりの、肌寒い朝。
一行は野宿を終え、再び馬を走らせていた。
「おい正雪、とばしすぎだ!気持ちはわかるが、そんな調子じゃ馬がもたねぇぞ!」
忠弥に指摘され、正雪は初めて自分が焦っていることに気付く。
「あぁ、そうじゃな」
山賊(正確には牢人であるが)に出くわしたおかげで、予定よりも到着が少し遅れていた。
「正辰様、ご無事だと良いのですが」
半兵衛の言葉に頷き、正雪は頬を伝う汗を拭った。
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