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それから三人はしばらく長旅の疲れを癒し、それぞれの時間を過ごした。 忠弥は庭先で槍を振り、半兵衛は正辰の書物を夢中になって読みあさっている。 正雪はというと、何やら気難しい顔をして正辰と話しこんでいた。 「それで、君はどうするつもりなんだい」 「どうとは」 「快く思っていないのだろう、今の御政道(みせいどう)を」 あまりに真っ直ぐな目を向けてくる師に、正雪は思わず下を向いてしまう。 「……無力な自分には、何事も成せますまい」 普段は会話の最中に決して目をそらすような男ではない、と正辰は目の前に座る弟子を注意深く観察した。 「違うだろう、正雪」
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