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「なるほど」
大切な者達を苦しめる世を変えたいとは思うが、その代償として彼らの命が失われては意味がない。
(仲間の命か、真の泰平の世か……)
口を閉ざしたまま眉間に皺を寄せる教え子を見て、正辰は思わずくすっ、と笑ってしまう。
「何が可笑しいのですか」
「いや、君も不器用な男だと思ってね」
「…からかわないでください」
「まぁ、じっくり考えなさい。君なら、自分の進むべき道がきっとわかるさ」
そう言うと、正辰は部屋をあとにした。
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