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翌朝。
帰り支度を終えた三人を見送ろうと、正辰と菊は外に出ていた。
「世話になりました」
「気をつけて帰りなさい」
「またいらしてくださいな」
各々挨拶を済ませると、三人は馬に跨がる。
「正雪」
「なんですか」
「これを持って行きなさい」
正辰は一本の巻物を正雪に手渡した。
「これは?」
「さて、なんだろうね」
「師匠…」
「困った時に開いてみるといい。きっと役に立つはずだよ」
正雪は納得はいかないものの、礼を言いぎゅっと巻物を握ると、それを懐にしまった。
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