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「それでは、失礼します」 手綱を取り、三人は馬を走らせた。 冬の名残の冷たい風が通り抜け、お菊は軽く身震いをする。 「父上、中へ入りましょう。風邪をひきますよ」 「あぁ、そうだね」 そう言ったのにも関わらず、正辰はだんだんと小さくなっていく三つの影を、見えなくなるまでずっとみつめていた。
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