12人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――――――
「だから、俺に言われても困るって言ってんだろ!!」
城から帰ってみると、何やら門前が騒がしい。
(また忠弥の奴が騒いでおるか…)
疲れがさらに増すようで、門に近づくのをためらっていると、忠弥がこちらに気付いた。
「正雪、帰ったのか!こいつらの話を聞いてやってくれ!」
見ると、忠弥と供に騒いでいたのは、かつて正雪達を襲った牢人であった。
「正雪殿、あの時はとんだご無礼を致しました!」
「まさか、そんなお偉いさんだとは思わなくて…」
「俺達を、この塾に入れてもらいてぇんだ!」
次々と声を発する牢人達を、正雪はまじまじと見つめる。
「いきなりで申し訳ねぇ。だけど俺達、このままじゃ家族も養えず、落ちぶれたまま終わっちまう!」
「俺達にできることなら、なんでもします!」
最初のコメントを投稿しよう!