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準備を終え、洗面所でもう一度鏡を見てから、私はローファーに足を入れた。
「行ってきます」
そう言ってからドアを開ける。お母さんの「はいはい」という声は、ガチャンとドアの閉まる音にかき消された。
外の空気は冷たくピンッと張り詰めていた。
私は、小走りに学校へ向かう。
いつも制服で溢れかえっている道を1人で歩いていると、私だけが異世界にいるような気がした。
空を見上げて、小さく小さくため息をつく。
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