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暗い気持ちをどうにか忘れようと耳に入れたイヤホンからは、私の気持ちと正反対のような明るい音楽が流れ始める。
暗い気持ち、寂しい気持ち、よくわからない気持ち…イヤホンをしている間だけ、少し紛れている気がした。
先生達はイヤホンをしながら歩くのは危ないからやめなさいと言うけれど、なぜか止められないままでいる。
学校に続く川辺までくると私と同じ制服がどんどん増えてくる。
そうして、だんだんその集団の中に私は紛れて消えていった。
「…ただいま」
………。
誰もいないのか。
お母さんが出かけていることなんてよくあるので、そのまま私は自分の部屋に向かった。
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