私の部屋

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「…可哀想よね、あの子も貴男の子として生まれてきて」  何の会話の一部なのか。  でも、確実にお母さんの声で。   あの子は私のことだと直感でわかって。 「俺のせいだって言いたいのか、お前が産んだんだろう」  お父さんも酷く怒っているみたいで。  分からない。  聞いてはいけないことをきいてしまっている。  なのに、ドアの前から離れられない。  早く自分の部屋に戻れ、と頭の隅で声がするけど、足が動かない。  聞かないほうがいい、わかっている。わかっているのに………。
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