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私とおじいちゃんは、荷物をつんであるおじいちゃんの車に乗り込む。
エンジンがかかる音がして、また、私はもうここには戻って来ないんだ…。と思った。
車が走り出して、見慣れた街並みが流れていく。
どの場所も思い出深いはずなのに、不思議とこの街を出れる事に安堵を感じてしまうのは、きっとこの街が私の罪を知っているからだろう。
「ミクは普段ラジオは聴くんですか?」
「聴くよ、ときどきだけど」
後部座席に座っている私は、運転席のおじいちゃんに向かって答えた。
「どんな番組を聴いてるんですか?」
あ、私の通ってた小学校だ。
「…う~ん、週間音楽とかかな」
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