flower shop 華哉

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私が華菜さんに何もしてあげられないのは、私が人間じゃないから。 私が花の精霊だから。 華菜さんも玲哉さんも子どもたちも私のことは知らない。 私のことは見えてないし、存在に気付いてすらいない。 私が宿るのはポインセチア、クリスマスフラワーとも呼ばれる赤い花。 それが私。 猩々木(ショウジョウボク)とも呼ばれる私は真っ赤な花包が特徴。 花弁だと誤解されやすいけれど、実は中心の粒のような部分が花で真っ赤なのは蕚(ガク)。 そんな私はクリスマス、玲哉さんが華菜さんにプレゼントしたポインセチア。 華菜さんに大事に大事に育ててもらった。 愛情をたっぷり受けて。
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