プロローグ

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パシンッ 乾いた音が響く 放課後の教室。いつもは騒がしいのが嘘のように 静まり返っていて、音がよく響くなぁ・・・なんてぼんやり考えていた。 ジワジワと頬を蝕むように 広がる痛み。 叩かれたんだと分かるのに そんなに時間はいらなかった。 「どうして・・・?深優ちゃんのこと、信じてたのに。」 うん、アタシもだよ。 「応援するって言ってくれたよね??嘘だったの!?」 ううん、応援してたよ。ホントに。 「――裏切り者っ 深優ちゃんなんて・・・大嫌い!!」 ・・・ごめん、ごめんね茉子。アタシ ホントにこんなつもりじゃなかった。 言いたいことはたくさんあるのに、口が動かない。 声が出ない。 パタパタと 茉子の走り去っていく音が やけに悲しく 教室に響き渡った――
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