うすみず

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私の思い描いていたような、未来にはならないんだよって、言葉が怖くて、ずっと、君を縛りつけていた。 もの言わぬその鎖は、君にとってまどろっこしいものだったんだろう。 届かない思いをのせたその鎖は、いつか君が壊して、私のもとから離れていく。 小さな鎖の欠片を集める時、私は何を思うだろう。 そうなる前に、私の前で鎖を粉々にして、私のもとから去って欲しかったと、願うだろうか。 今が、その時なのかもしれない。
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