神様のミス

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「んっ……うん?……茶室?」 気が付くと俺は、ジャパニーズ茶室という表現が実にしっくりとくる。しかしながら何処となく落ち着かない気味悪さのある純和風の部屋の畳の上で寝ていた。この際、俺の格好に関して実に解りやすい描写が容易にできそうだが、世の奥様方に申し訳ないので省略する。そして、横たわる俺の傍らには、後光の差した女性がいた。服装は白いドレスで顔は見えない。不思議な事にそこに顔があるのに見えない。というか、前述したこの部屋全体の奇妙さや不気味さは、彼女の存在が成せるところであると断言できる。 「やっと、気が付きましたか……。」 女性の声は非常に穏やかで、心地よいが。そこから読み取れる感情は、呆れとか疲れとか具体的にいうなら、待ち草臥れた。といった雰囲気が滲み出ていた。
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