神様のミス

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先ほど試した際には頑として動こうとしなかった。この茶室と外界とを隔てていると思われる戸がゆっくりと開いたのだ。開いた先に居たのは、執事を思わせる風貌の凡そ50を超えたあたりのオッサンだった。なぜ出てくるやつが端から茶室にそぐわない、俺含め。 「小春様、蘇りの準備が整いました。どうぞこちらへ。」 「人違いです。」 「……失礼いたしました。チッ、」 そう謝罪の言葉と舌打ちを残し執事男は去った。茶室には、俺と不快感だけが残った。
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