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「………よし、今日はここまで」
「起立、礼」
『ありがとうございました』
濁った鐘の音と共に教壇に立つ、よれたしわくちゃのスーツ、ボサボサの頭、死んだ魚の目をしたオッサン(男教師)が終了の言葉を告げた。
すると一人の女生徒の号令で、狭い教室内に居る二十名ほどの生徒が立ち上がり、形だけの礼を持って会釈する。
「よっしゃ!今日も終わった!真澄、どっか寄って帰ろうぜ!」
「えー、どうしよっかなぁ」
教師が教室から出ると共に騒がしくなる教室。
「カラオケ行く人ー?」
「行く行く!駅前のNekiでしょ?真澄くん、トンマ、アンタたちも来る?」
「んー、カラオケかぁ。そう言えば近頃行ってないなぁ」
「てめっ立夏!俺の名前は当麻だ!トンマじゃねぇ!」
「同じようなもんでしょ」
「…立夏、てめぇとはやっぱり決着をつけた方がいいみたいだな」
「望むところよ」
「十八番のカラオケ勝負で決着つけたる!」
「ふん、吠え面かかせてあげるわ」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ!」
「くぬぬぬぬぬぬぬぬ!」
「は、はははは…」
「えっと…立夏に当麻くん、真澄くんっと、他に行く人ー」
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