take.1

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「………よし、今日はここまで」 「起立、礼」 『ありがとうございました』  濁った鐘の音と共に教壇に立つ、よれたしわくちゃのスーツ、ボサボサの頭、死んだ魚の目をしたオッサン(男教師)が終了の言葉を告げた。  すると一人の女生徒の号令で、狭い教室内に居る二十名ほどの生徒が立ち上がり、形だけの礼を持って会釈する。 「よっしゃ!今日も終わった!真澄、どっか寄って帰ろうぜ!」 「えー、どうしよっかなぁ」  教師が教室から出ると共に騒がしくなる教室。 「カラオケ行く人ー?」 「行く行く!駅前のNekiでしょ?真澄くん、トンマ、アンタたちも来る?」 「んー、カラオケかぁ。そう言えば近頃行ってないなぁ」 「てめっ立夏!俺の名前は当麻だ!トンマじゃねぇ!」 「同じようなもんでしょ」 「…立夏、てめぇとはやっぱり決着をつけた方がいいみたいだな」 「望むところよ」 「十八番のカラオケ勝負で決着つけたる!」 「ふん、吠え面かかせてあげるわ」 「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ!」 「くぬぬぬぬぬぬぬぬ!」 「は、はははは…」 「えっと…立夏に当麻くん、真澄くんっと、他に行く人ー」
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