何度でも

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最初は女性が農作業をしているとしか思っていなかったが、はっきりと姿を確認すると、僕は自然と歩みを止めてしまった。     その姿は滑稽としか言いようがなかった。     彼女が身に付けていた服は、農作業にはあまりにもに不似合いなものだったからである。     明るめのピンクのTシャツに、膝下程度の丈(まくっているため、確かではないが)の濃いめのデニム生地のパンツと、学生時代によく街中で見掛けたコーディネートだった。     それが、こんな田舎の田んぼに足をつっこんで農作業をしているのだ。     しかも、比較的暖かい地域とはいえ、季節は冬である。     格好も気になるが、田んぼは活動していない時期である。     これを滑稽と言わずして何というのだろうか。         すると彼女は、僕に気付いたのかこちらに顔を向けた。     始めはただの興味半分で僕の事を見ていたが、やがて大きく半円を描くように手を振りながら僕を呼んだ。     「あなた、祐ちゃんでしょ。久しぶり」     この瞬間に、彼女が子供の頃からの友人、山崎美香だと気付いた。     「山崎も久しぶり」     一言返事を返し、自転車を田んぼの側の芝生に止めた。     僕は旧友のいる田んぼまで歩を進めていった。
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