第三節

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「なんとも立派な…」 「……」 「…おっきい…」 「にゃー」 銀夜がレイラに近付いた瞬間――― ドッ!という鈍い音がした。 一瞬理解に困ったが、どうやら銀夜にむかってナイフを投げたらしい。 「…シャーッ!」 「ひぃっ…!」 「レイラ!!なんということを…!!」 「…銀夜くん。」 銀夜は警戒しながらジャックの元に戻った。 レイラは恐怖に満ちた顔をしている。 「あ、悪魔…!!」 「悪魔?」 「申し訳ありません、レイラは猫が苦手でして…」 「…フーッ!!」 「嫌あぁあああっ!!」 「やめなさい銀夜!」 ジャックは銀夜を抱き上げた。思いの外重いことに驚く。 「なぁー…う…」 「少し、失礼します。」 「はい…。」 苦笑いしながらジャックは銀夜を連れて二階の自室にむかった。 「新しい紅茶を…」 「あぁ、すまないね。」 「……ごめんなさい…」 「……。公爵はお怒りだろうか?」 「平気ですよ。あのくらいで怒るような方ではありません。」 「ならいいんだが…。」
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