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「銀夜ー、銀ー…」
「…!!」
ジャックの声が聞こえ、耐えきれずに部屋の外へと駆け出す。
「お、部屋に居たのか」
銀夜はジャックにむかって走り出したのだが、近付くにつれて段々ジャックの腰がひけていた。
「ちょ、ちょっ、えっ……うおぶぁッ!!」
突進されたが、受け止めることが出来たためなんとか倒れることだけは避けられた。
腕の中では銀夜が震えている。
「…どした?」
「……も…なぃ…」
「ん?」
「なんでもないと言ってるだろうがっ…!!」
「え。声震えてんじゃん。」
「うるさい!」
「何なのよもー…。飯だから降りるぞ。」
「……。」
銀夜を下ろそうとしたのだが、しがみついて離れないので抱っこしたまま降りた。
「ミカエリス」
「はい」
「銀夜になんかした?」
「少々お仕置きを。」
「……笑顔で言うなよ怖いな。」
「…ゥー…」
「おい。」
「……。」
「おやおや…すっかり嫌われてしまったようですねぇ。」
テーブルに綺麗な料理を並べながら、至って笑顔で言った。
現在時刻は20時。
伯爵は帰ったようだ。
ジャックは銀夜を下ろすと席につき、冷めないうちに食べ始める。
銀夜も何だかんだでちゃんと食べている。
「明日の仕事は?」
「朝の7時、事務所に集合です。」
「あぁ…明日は…」
「メンテナンスは済んでおります。聖水とナイフは何時もの倍以上でよろしかったですか?」
「あぁ、いつも助かるよ。」
「主に褒めて頂けるとは…!!」
うねうねしながら隅っこで悶え始めた。
「「…キモイ。」」
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