第三節

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「は?」 「エクソシストの力も関係してくるので…」 「普通の人間がナイフを投げてもダメということか?」 「そうなりますね。しかも、貴方にナイフが合うかどうかも分からない。」 「……詳しく話せ」 疲れたらしい銀夜は普段ジャックが座っている豪華な装飾がついた大きな椅子に座る。 「……おぉ、沈む…」 「この屋敷の主が代々受け継いできた椅子ですからね。値段もつけがたいです。」 「ふむ……話を続けろ」 「はい。エクソシストは自分に合った武器を使います。主の場合はナイフや銃といった飛び道具…」 「レイラは…」 「レイラ様は…基本呪文ですが武器はサーベルのような剣です。」 「…」 「…大丈夫ですか?」 「問題ない。」 「まぁ、エクソシストとしての階級が低ければ武器の威力は弱く…」 「階級が高ければ威力は強力になるという事か…。」 「えぇ。流石、猫又様は理解が早くて助かりますね。」 「…ぎゃああぁあああ!!」 「…おや…」 ジャックは階段の最後の一段で腰を抜かし、座り込んで驚愕した表情でこちらを指差している。 「お、おい…それっ、なっ…え!?」 「落ち着け…私だ。」 「いや誰だよ!!うわっ…整形までして俺の屋敷を乗っとる気だな!?」 「主、銀夜くんです。」 「俺の銀夜は猫だぞ!?三毛猫のフワフワした丸い毛玉だ!」 「落ち着いて見ろ!」 銀夜は立ち上がり、ジャックの姿のまま尻尾を出して見せた。 「…いやあぁあああ!!尻尾生えたあぁあああ!!」 「……銀夜くん、猫の姿に…」 「…あ、尻尾二つにわかれてる。」 「分かったか?」 「ちょっと…え…?俺今恥ずかしくね?」 「「かなり」」 「…うわああぁぁぁぁ!!!」 ジャックは猛スピードで自室に駆けて行った。 「…………」 「あんなのでも…最高階級ですよ…」 「信じられん…!!」
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