第四節

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「…んー…一階から気配は無いし、二階からだな。」 「ちょっと、ジャック!明かりも持たないでどこいくの!」 ジョンはランプを持ち、心配した表情で走り寄って来た。 「いや、別に見えるもん。」 「は?」 「俺、ちょっと特殊だから暗くても見えるの。」 「ワオ…羨ましいよ。」 「……」 「…聞こえるね。」 「…屋上だ。」 ジャックは猛スピードで階段を駆け上がっていく。 ジョンも慌てて後を追った。 「ちょっ、とっ…マジ速すぎ!」 「……居ない。」 邪魔なので屋上の扉を蹴り飛ばした。 辺りを見回すが、敵の姿は見当たらない。 「…んー…気配はあるけどね。」 「……。」 「おや…裏切り者が居るね…」 「!」 咄嗟に声のした方を見ると、先程までは居なかった場所に男が立っている。 ローブを着てフードをしっかりと被っているせいで口元しか確認出来ないが、女ではないだろう。 背中に黒い羽が生えているのを見る限り、悪魔だ。 「聞こえるのは仲間の断末魔だけだ…」 「そりゃそうさ、退治しに来てんだからな!」「そら、また一人…消えていく…。」 男の口元はニタァ、と弧を描いた。 「…アイツ…まるで殺気が感じられないけど。」 「…名前は?」 「アスモデウスだよ。」 「げっ…!」 「失礼だね。…でも、美味しそうだ…」 「あぁ、寒気が!悪寒が!鳥肌が!!」 「やだよ!俺こんな奴やだよ!こいつ色欲だよ色欲!!」
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