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「…んー…一階から気配は無いし、二階からだな。」
「ちょっと、ジャック!明かりも持たないでどこいくの!」
ジョンはランプを持ち、心配した表情で走り寄って来た。
「いや、別に見えるもん。」
「は?」
「俺、ちょっと特殊だから暗くても見えるの。」
「ワオ…羨ましいよ。」
「……」
「…聞こえるね。」
「…屋上だ。」
ジャックは猛スピードで階段を駆け上がっていく。
ジョンも慌てて後を追った。
「ちょっ、とっ…マジ速すぎ!」
「……居ない。」
邪魔なので屋上の扉を蹴り飛ばした。
辺りを見回すが、敵の姿は見当たらない。
「…んー…気配はあるけどね。」
「……。」
「おや…裏切り者が居るね…」
「!」
咄嗟に声のした方を見ると、先程までは居なかった場所に男が立っている。
ローブを着てフードをしっかりと被っているせいで口元しか確認出来ないが、女ではないだろう。
背中に黒い羽が生えているのを見る限り、悪魔だ。
「聞こえるのは仲間の断末魔だけだ…」
「そりゃそうさ、退治しに来てんだからな!」「そら、また一人…消えていく…。」
男の口元はニタァ、と弧を描いた。
「…アイツ…まるで殺気が感じられないけど。」
「…名前は?」
「アスモデウスだよ。」
「げっ…!」
「失礼だね。…でも、美味しそうだ…」
「あぁ、寒気が!悪寒が!鳥肌が!!」
「やだよ!俺こんな奴やだよ!こいつ色欲だよ色欲!!」
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