待ち遠しい日

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待ち遠しい日

「もうすぐ母の日だな」とお父さんが言った。 「うん」 どんな反応をして良いのか分からず、僕はそう言うしかなかった。 「テル…お母さんに会いたいか?」と言ったお父さんの声は心なしか小さかった。 「うん…」 「そうだよな。お父さんもお母さんに会いたくなったんだ。だから母の日にお母さんに会おうと思ってるんだ」 「うん」 「じゃあ母の日にお母さんを家に呼ぼうな」 「うん!」 それからは毎日お母さんの事ばっかり考えてた。 母の日の事ばっかり考えてた。 カレンダーの母の日に赤いペンで花丸を書いた。 そして母の日が来たんだ。      
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