花粉症

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「はっくしょん! あ~……花粉ぱねぇなぁ……」 「あれっ、お兄様って花粉症だっけ? 大丈夫?」 「季節性アレルギー性鼻炎だから大丈夫、問題ない」 「うん、花粉症だよね、結構問題あるよね。鼻うがいする?」 「鼻から生理食塩水を吸い込んで鼻腔内を洗浄する行為のこと?」 「あれっ、お兄様ってそういうキャラだっけ? アニペディア?」 「ちょっと頭がぼーっとしちまって……ふあ……せっかく公園に来たのに眠い」 「……いいよ、お兄様。ボクが見ててあげるから」 「そうか? なら……甘えん坊に甘えちゃいますかな……Zz」 「……ぎゅーってしてほしかったけど……ダメ、かな」 「んっ? いいよ?」 「寝たふりしてたの!? ひゃうー恥ずかしいこと聞かれちゃった!」 「公園の芝生で抱き合うことは恥ずかしくないのか……?」 「お兄様ならばっち来いだよ! でもやっぱり誘い込むような……お兄様からさせるようにしないとダメなんだよ!」 「ふむ、そういうもんかね。でも今の俺はときどき…っくしゅん! だぜ?」 「関係ない……かも」 「雰囲気重視ならやめといた方がいいよ。ぎゅっとしてくしゃみとかぶち壊しだし」 「むぅ……」 「喉渇いたから飲み物買って来るけど、まなはどうする?」 「……なんでもいいよ、お兄様が買ってくれるもので」 「よっし、すぐ戻るからな~」 「お兄様っ、走って行かなくてもゆっくりでいい……のに、はやいっ……」 「ふう……お待たせまな、少し時間掛かっちゃったかな。はいよっ」 「ありがとうお兄様……えっ、お兄様は水なの? それにもう飲んじゃったんだ……」 「ああ、これでできるから」 「できるってなにを――みゅっ!」 「ぎゅーっ……って。花粉症用の薬、飲んだから」 「……おにい、ちゃん……」 ポフッ 「あっ……緊急スリープした。オーバーヒートしやすくなっちゃったなあ……」
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