序章

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辛い思い出に浸っていれば,彼女が哀しむから。 泣きそうになれば,彼女が先に涙を零してしまうから。 だから。 俺は。 楽しいことばかり追いかけて, 慣れない笑顔を作って, ずっと彼女の傍にいて。 それの何が悪かったのだろう。 二人で,いつまでも一緒にいたいと,そう願っただけなのに。 互いを想い合うのがそれほどに駄目なことなのか。 たとえそれが――――…… .
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