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少し他の人より力が強いからといって,その力を欲する妖が何度も襲ってくる日々。
正直,めんどくさい。
要目もその辺はちゃんと理解してくれているらしく,藤が突然奇妙な行動をとっても何も云わなかった。
何だかんだ云って,藤がグレなかったのは要目の影響が大きいのかもしれない。
*-*-*
「……で」
藤に促され,仔狐は訥々<トツトツ>ながら話しだした。
それは,つい最近の話だという。
仔狐は,一人の人間に出逢った。
因みに幼い頃に妖が見える人はたまにいるらしい。何か分からずに戸惑っている内に,いつの間にか見えなくなってしまうそうだ。
少なくとも,仔狐が逢った少年はその時は姿を視れた。
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