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「ゆっちょ~んっ!!」
手のひらで携帯がうきゃんうきゃんと騒いでる。
「ジュンス…?」
「……全部聞こえてたよ~!」
「あぁ…ジュンスと話してる最中にユノヒョンが来たんだった…」
「ユチョンらしくないじゃん…?」
「俺らしいって…何だよ?
ジュンスのくせに生意気…」
「ユチョンが悪いよ…あのユノヒョンが、自分から来てくれたんでしょ…イッパイ悩んでやっと決心して…相当な覚悟が必要だったと思うよ?」
「うるさいっ!」
「追いかけなよ?早くっ!」
「……」
「行きなってば!」
「…命令するなよ…」
「ヤダッ!するっ!!
今すぐユノヒョンを追いかけてっ!!!
このままじゃ、一生後悔するよ?」
後悔…?
そんなの散々したよ…ヒョンに逢いたいと想う度に痛いほど感じてた…
もう、後悔はしたくないよ…
何が正しいのかなんてわからない…
でも…この気持ちだけはハッキリと分かる!
ユノヒョン…
ユノヒョン…
大通りに続く一本道を自転車を走らせる…
自転車なんて滅多に乗らないけど…ヒョンに追い付きたくて…
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
冷たい風が気管を通り抜ける度に俺の喉がキュッと縮こまる…
クソッ、俺ってば…なんてひ弱なんだ…
頼む…間に合って…
大通りに着いた…
ユノヒョン…
どこ…?
この時間帯はそう簡単にタクシー捕まらないはずなんだけど…タイミング悪く通りかかっちゃったのかな…?
ビルの影に自転車を乗り捨て、胸を押さえ息を整えながら辺りを見渡した。
行き交う車のヘッドライト…
遠くに聞こえるクラクション…
やっぱ…間に合わなかった…?
ユノヒョン…
急に脱力感に襲われビルの壁に手をついた…
ヤバイ…気分最悪…
。
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