『Weep』

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ふわり… この香り…? !!!!!!!!!! そっと瞼を覆うふたつの大きな手… 「ユノヒョン…?」 振り返ろうとすると手のひらに力がこもりひんやりと冷たい指先が俺の目頭に触れた… じんわりと熱いモノが俺の瞳から溢れる… 「…………そのまま…動くな…」 「ユノヒョン…それ俺のセリフ…」 ヒョンが逃げてしまわないように後ろに伸ばした腕でヒョンの腰を捕まえ引き寄せた。 「…ユチョナ…」 ユノヒョンの声も指も…震えてる…? それっきり何も喋らなくなって… 「…………」 「…ユノヒョン…?」 「…………」 「…ねぇ…さっきから黙ってばっか…なんとか言ってよ…?」 「…………」 「…ヒョン?」 「…………パボ…………」 「へ…?」 「パボアニャ…?」 「な、なんだよ? 目隠ししたまま黙り込んどいて、やっと口開いたと思ったら‘バカじゃないの?’って…ひどくね?」 「……………バカだよ…ユチョナ…立ち漕ぎとか…全力すぎる…」 「見てたの…?だったら、もっと前に声かけてよ!」 「…デコ全開だったぞ…」 「ユノヒョン追いかけて来たんだもん!髪なんか気にしてらんない!」 「…やっぱ…パボ! 俺なんかの為にこんな寒い中上着も着ないで乗り慣れない自転車漕いで、喘息の発作出たらどうするんだ?!」 「なんで怒るんだよ?つぅか…耳元でガンガン煩いし…」 「………心配してんだよ………ホント…バカ野郎だな………苦しいんだろ…?」 「………ぅうん………大丈夫…」 「嘘つけ…苦しそうに見えたけど…」 「……さっきは…しんどかった…」 「ホラ…やっぱり…」 「『このままヒョンを見つけられなかったらどぉしよう』って思ったら辛くて苦しくて…」 「ユチョナ…お前…」 ユノヒョンの肩が小刻みに震えてるのが目隠しの手から伝わって来る… 。
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