『Weep』

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「…ヒョン…なんだよ…笑うなよ…もしかして俺のおデコ思い出してる?」 「……………笑ってるんじゃない…」 「…ヒョン…だって…肩揺らしてるから…」 「…あの日から…ずっと…心から笑えたことなんかない…」 「…ヒョン……………泣いてるの?」 俺が振り返ろうとしたら 「見るなよ…」 目隠しの手にギュッと力を込めなおした… 「先に泣いたのお前だろ…?」 「だって…ヒョンが居てくれて嬉しくて…」 「ユチョナ…お前が泣くから…俺も…」 「…ヒョン…ッッ…」 目隠しの手がほどけ背中から強く抱きしめられ一瞬目眩がした… 「…ずっと後悔してて…」 「………」 「オマエを…行かせちゃったこと…」 「…ぅ…ん…」 「格好悪くても、情けなくても引き留めれば良かった… こうやって…強く抱きしめて離さなければ良かったって…」 ヒョンの唇が俺の項に触れて体がピクンと跳ねた。 「……………俺も………ヒョンと俺…おんなじ気持ちだったんだ…」 俺を抱きしめるヒョンの腕に手を重ねそっと撫でた… 「ヒョン…来てくれてありがと…」 嬉しくてもう立ってられない… ガクガクと膝の力が抜ヒョンの胸に体を預けた… 「ユチョナ…送るよ…やっぱり休んだ方がいい…」 「…大丈夫…もう少しこのまま…」 「ダメだ…ちょっと待ってろ?」 俺が乗り捨てた自転車を起こしユノヒョンが長い脚を振り上げサドルを跨いだ。 「ほら、後ろ乗れよ…?」 「…うん…」 「こんな薄着でまったく…」 ジャケットを脱ぐと俺の肩にフワリと掛けた。 ジャケットからはヒョンの香り… 「それ着とけ?」 「ヒョンが寒いよ…?」 「平気だ。ユチョナがそれ着て背中から俺の身体抱いてくれたら充分あったかいから… ほら、シッカリつかまっとけ?」 「うんっ!」 引き締まった腰に腕を絡ませ大きな背中に頬を擦り付ける…ヒョンの香りに包まれて二人乗りでマンションまで走った… 。
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