『Weep』

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「ユチョナ…その言葉だけで充分…」 「…ヒョン…?」 「お前が変わってなくて…俺と同じ気持ちだって分かったから…それでいい…」 「ヒョン…何言ってるの…」 「このまま部屋に行ったら…お前のこと…離せなくなる…」 「構わない…ずっと傍に居ればいいじゃないか?」 「そうはいかない…お前だって分かってるだろ?」 「分からない…知らない…そんな事…関係ない!」 「ユチョナ…」 「イヤだ…もぉ、どうなったっていい…ヒョンと離れたくない!」 「だったら尚更…このまま…今日は帰るよ」 ト…クン… 「イヤだよ!」 「又…会いに来る…」 トクン…トクン… 「嘘…嘘だ…」 トクン…トクン…トクン… 「行かないで…」 ドゥク…ドゥク…ドゥク… 早くなる鼓動… 「…ヤダよ………」 「…ユチョナ…愛してる…」 「ヒョン…愛してるなら…このまま…」 ドゥンドゥンドゥンドゥン… 益々早くなる鼓動… 痛いほど俺の胸が高鳴って… 「…コホッ……ハァ…ハァ…」 もう、息苦しい程で… 「…ケホ…ケホン…」 って言うか…苦しい?! 「ハァ…ハァ……ゼェ…ゼェ………ヒュー…」 喉の奥が小さく鳴き始める… 嫌な音… 暫く忘れてた音… こんな時に…クソ… 「…………ヒュー…ヒュー… ユノヒョン……ヒュー… ケホ…ケホ……………」 「…ユチョナ………発作か?!」 「…ヒュー…ヒュー…… …タ…スケ…テ…」 「ユチョン、吸入器は?」 ヒョンの腕の中で頭を小さく横に揺らすのがやっとだった… 「困ったな…」 『ヒョンがキスしてくれたら治るよ…?』 …なんて言って笑顔みせて安心させたいのはヤマヤマ…でも、それどころじゃない… 「ユチョン…リラックスだ…」 咳き込む俺の背中を摩りながらヒョンが声をかける… 「ゆっくり深呼吸して…腹式呼吸…できるか? 1、2、3、4…」 ヒョンの声に合わせてゆっくりゆっくり…深い呼吸を繰り返していると少しずつ楽になってきた… 「歩けるか?」 「…ゴメン…まだ…」 相変わらず首を横に振るしかできなくて… 「…やっぱ無理か…」 ユノヒョンが軽々と俺の身体を抱き上げ歩き出した… 。
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