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「……ここはどこだ?」
「おや、忘れてしまったのかい?この前、君の家にお邪魔させてもらったからね。今度はボクの家に招待すると言ったじゃないか」
「招待?背後から殴りつけて拉致するのが招待だと?」
「ちょっとしたサプライズだよ。なかなか面白かっただろう?」
「面白くねえよ!おまけにオレの原付使いやがって!無免許のうえに二人乗りじゃねえか!」
「まったく、気絶した君を運ぶのには苦労したよ」
「てめえのせいだろうが!っ痛……」
「ほらほら、そんなにはしゃぐと傷に響くよ」
「だからてめえの……はあ……で、お前ん家に招待してくれんだろ?」
「お、ようやくその気になったのかい?」
「正直今すぐに帰りたいがな。また殴られでもしたら敵わん」
「やだなあ。今度は穏便にクロロホルムを使うよ」
「劇薬じゃねえか!」
「ちなみにクロロホルムって漫画やアニメ、映画などで人を気絶させる際に使われるけれど、あれはガセらしいね」
「果てしなくどうでもいい!」
「それでボクの家だったね。もう目の前にあるよ」
「…………」
「どうしたんだい?」
「……これがお前の家だって?」
「そうだけど、何か問題でも?」
「大豪邸じゃねえか!あれは何だ?執事か?そんでもってメイドか?使用人総出でお出迎えか!?このブルジョワが!」
「庶民の嫉妬かい?見苦しいよ」
「急に金持ち振んな!」
「ボクの父は世界各国に支社を持つ大手企業の社長でね。つまりボクは社長令嬢という訳なのさ」
「お前が令嬢って柄かよ……。金持ちは変人が多いっつー話は本当だったんだな……」
「む、失敬な。セバスチャン、こいつを摘まみ出せ」
「てめえに呼ばれたんだよ!つーかセバスチャンって、その執事どう見ても日本人だろ!嘘だろ!嘘だな!」
「少し落ち着こうね。騒ぐなら邸内に入ってからにしてよ」
「もう帰りたい……」
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