悪戯身につかず・続

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「はい、ここがボクの部屋」 「何つーか、全体的に青いな……。あと広い」 「青が好きだからね」 「そういや、夏祭りに着てた浴衣も淡い青だったな」 「おっと、別に君みたいにクールキャラを気取りたいから青が好きな訳じゃないからね」 「別に気取ってねえよ」 「まあ、そのクールキャラも崩れている気がするけれど」 「おかげ様でな」 「いやあ、誉めたって最高級スイーツくらいしか出ないよ?」 「誉めてねえし、皮肉だっつーの。あと、取ってつけたように金持ちアピールすんな」 「あ、そう?じゃあいらない?」 「ぐ……も、貰うけどよ」 「にやにや」 「に、にやにやすんな!ん、美味いな、これ」 「まだまだあるからね」 「……何か気味悪いな。またハバネロとか入ってねえだろうな?」 「君はボクを何だと思っているんだい?」 「口先女」 「そんな妖怪みたいな……。ところで君はどんな色が好きなのかな?」 「んー、赤だな」 「これまた正反対だね。やっぱり……」 「キャラづけじゃねえからな」 「赤が好きならこの……」 「ハバネロキャンディーはいらん」 「むう……」 「ふ、いい加減お前の考えも分かってきたぜ。いつまでも振り回されてばかりのオレだと思うなよ?」 「仕方ない。ここはダイゴローに構ってもらうとしよう」 「ダイゴロー?って……」 「いいだろう?このぬいぐるみ。最高の抱き心地なんだ」 「…………」 「このもふもふとした感触が得も言われぬ……聞いているのかい?」 「へ?あ、ああ、もももちろん、き、聞いてたぞ!」 「……ははーん、そんなにダイゴローが気に入ったのかい?」 「そ、そんな馬鹿な!オレがぬいぐるみごとき……ぬいぐるみ……ごとき……」 「いや、そんな物欲しそうな顔で言われても……」 「だ、第一、ぬいぐるみなんてオレのキャラじゃ……」 「君のキャラは大分崩れているけれどね」 「う、うるせー」
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