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「ねえ」
「なんだい?」
「スキよ」
「……嘘吐きな君のその言葉を、どうやったら信じられると思う?」
「簡単よ。騙されたと思って信じてみればいいのよ」
「僕はそうやって何度騙されただろうね」
「何度騙されても私に付きまとうのはなんでかしら」
「君のことがスキだからさ」
「嘘よ」
「ホントウだよ」
「その言葉がどうして嘘じゃないと言えるのかしら?」
「簡単さ。僕が真実だと知っているからだよ」
「貴方も大概嘘吐きね」
「君にだけは言われたくないな」
「ところで話は変わるのだけど、今日が何の日か知ってる?」
「今日?君の誕生日ではないし……」
「エイプリルフールよ」
「ああ、そういえば。でも、君には関係のないイベントだと思うけど」
「あら、どうして?」
「君はいつも嘘を吐いているじゃないか。それも冗談で済まされないような酷い嘘を」
「それもそうね。じゃあ、今日くらいは自分に嘘を吐いてみようかしら」
「へえ、そうかい」
「ねえ」
「なんだい?」
「好きよ」
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