LV.1 働いたら負けかなって思ってる

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などと呑気な返事を返す。危機感が欠落しているにも程があるが、それこそが、瀬川悠が瀬川悠たる由縁である。 が、瀬川が了承したのを合図にしたかのように、ナーシャの馬が倒れた。 「……少し、遅れてしまったようですね」 ナーシャは横目でつい先程まで自分がまたがっていた馬を見る。 「(……ふむ。外傷はありませんね。ギリギリですが、息もあります。ならば……)」 「……なんか馬、倒れてるんですけど」 「問題はありません。 単なる麻痺です。しばらくしたら回復します。それより悠様、しばらくの間、この場を動かない様お願い致します」 「……え?」 ナーシャはガーターベルトから小さな銀製の棒を一つ抜くと、奇妙な言葉を口走った。 「……静寂の女神、月雫の煌めきを片手に風の子を愛せ……聖星法典第一条 『虚構の自由』」 ナーシャが銀製の棒を瀬川に向けると、瀬川の足元に幾何学的な模様が浮かび上がる。 「この陣の中に入れば、貴方に対する攻撃は心配無用です。 ……すぐに終わらせますので、少々お待ちください。」 ナーシャは静かに微笑むと…… 飛翔した。 残された瀬川は、青々と輝く陣の中で唯一人
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