LV.1 働いたら負けかなって思ってる

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「(どこやねん、ここ)」 心のなかで呟いた。 ナーシャが足をつけたのは、草原から数メートル先にある深い樹海だった。 「姿を現して頂けませんか?私、客人をお待たせしているので」 太い樹木の枝に立っているのは、緑色の醜悪な鬼。 「(……グリーンオーガ?妙ですね、この辺りには生息していないはずですが。……それよりも、グリーンオーガだけというのも気になりますね。彼らに魔法を扱う技術はないはず……)」 ナーシャが思考を巡らせているうちに、緑色の鬼――グリーンオーガは、ナーシャを囲むように増え続ける。 「(……とりあえず、この場を片しましょう) 引く気はないととって宜しいんですね?」 グリーンオーガは右手に己と同じ程の金棒を構え、ナーシャに向かった。 「……かしこまりました」 ナーシャは、ガーターベルトからまた別の棒を取り出す。 「面倒なので、詠唱は無視させて頂きます」
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