LV.1 働いたら負けかなって思ってる

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ナーシャが棒を地面をなぞるようにグリーンオーガに向けると、そこにいた3体のグリーンオーガが沈んだ。 「……ドボル」 「ライチェ」 「ボーマ」 「ドライトス」 あるグリーンオーガは地に沈み、あるものは光に焼かれ、またあるものは炎に身を包み、地面から生えた槍に貫かれたグリーンオーガもいる。 時間にして十五分程度。周りには、赤く血染められたグリーンオーガの亡骸があちこちに横たわっていた。残るグリーンオーガは、最早リーダー格と思われる一匹のみ。 「さて、あらかた片付きました。 ……出来るのならば、ここは退いてほしいのですが」 グリーンオーガは答えない。ただナーシャを視界に捉え、距離を測る。 「……ノーと受け捉えさせて頂きます」 ナーシャは、まるで楽団の指揮者の様に腕から指を動かす。 グリーンオーガが、地を蹴る。それはまるで、小型ミサイルのような速さでナーシャの眼前まで到達し、その豪腕を振り上げ―――、下ろされる事なく、倒れ伏した。 消失しなかった、右半身のみが。 「こんなものですか……。やはり、詠唱を無視すると扱いが難しいですね」 「……これで終わりだと、思うなよ」
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