あの日

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はじめて二人が会った場所 その場所が 私にとってどれだけ 大切な場所にかわっただろう。 日が暮れ 星が見える 私は声を押し殺して 泣いていた ガサガサ 何かが近づく音 見上げると 京、君がいた。 心配した顔で 優しい声で 私を包んだ。 京…優しくしないで。 ただ黙って 私をだきしめた 長い腕 筋肉で少しごつい体 甘いような 落ち着く匂い。 あぁ…これだ 落ち着く匂い これだ。 「うぅ…」 安心したの 京のあったかいぬくもり なんで… そんな私に優しいの? 問い掛けることさえ 出来ない、声が出ない ‘怖かったよ。’ いつまでも泣いていられない 私は京から離れた。 .
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