プロローグ

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「ねぇライオンいなくなっちゃうの?」 隣で聞いていた聖人が口を開く。 「えっ、い、いや……聖人にはまだ難しい話しだったな」 昇はまだ小学二年生の次男に向かって笑顔になった。 「お父さんまたアフリカに行くけど、今度帰ってきたらずっと日本にいるから、聖人の父兄参観にも行くぞ」 「う~~~~~~んと、ふけいさんかんって何?」 「え? まだ参観日ってやってないのかな?」 「参観日は知ってるよ。ママが学校に来る日でしょ?」 「ああそれだ。父兄参観っていうのはお父さんが学校に観に行く日のことだよ」 「ふ~~~~ん」 不思議そうな顔をする次男。 「まぁ、あれだ。父兄参観に限らず、ずっと日本にいるようになるから、夏休みも遊びに連れて行ってやるからな」 「やったぁあーー! 本当に?」 「ああ」 「なんだよ~父さん。俺のときは一度も来てくれなかったくせに」 直樹がわざとに膨れた後で、ニヤッと笑う。 「え?」 歳の離れた弟が、キョトン顔で兄を見た。
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