一章 ある晩の出来事

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「さぁ次はどこいく?」 その女に気づいているのかいないのかわからないが佐久が威勢よく切り出した。 「じゃあ、新しくできたバーでもいってみるか」 続いて一斗が提案する。 そうしよう!皆、同意し三次会へと向かう。 誰一人、女の事を口にする事はなく、僕もなんとなく口にしてはいけない気がして女がたたずむ場所を横目でチラリと見ながら通りすぎた。 時刻は午前0時を回っている。 こんな夜中に真夏の服着て女が一人たたずむ。 そんな光景に僕は言い知れようのない不気味さを感じていた。 そして、そんな明らかに不自然な光景に誰も気づかないという現状にも、違和感を感じていた。
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