一章 ある晩の出来事

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しんみりと物思いに耽っていると、頬に冷たい感触。 もう一度見上げた空には、さっきまでとはうってかわり白い小さな粒が夜空を彩っていた。 「あ…雪だ。」 自然とそう呟いていた。 「やっぱりな~どうりで凍りつきそうなはずだよなぁ」 雪を見た途端、寒さが増したのか、佐久は大袈裟に両腕をこすり体温を上げる動作をする。 「初雪だな…」 一斗は雪を見つめたまま、一足早い雪に見とれているようだった…。
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