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「………竜哉」
「ん?」
「これだけは約束しよう」
私の真面目な声に、ピタリと足を止める。
「お互い、思った事はちゃんと口に出して伝えようね」
言わなくても分かるとか、そんな風になりたくない。
自分の気持ちは、自分でしか伝えられないのだから。
「もう、すれ違いはいやだから………」
これも、思いを口に出す一歩。
精一杯の素直な気持ちを、竜哉に分かって欲しい。
「うん。わかった」
少し照れたような顔をして、笑った。
「……………」
「……………」
「……ちょっと、なんか喋ってよ!気まずいじゃん!」
「お前がふいに可愛い事言うからだろー」
「だ、だから!そういう事言わないでよ!!」
この恋人モードに慣れるのは、少し時間がかかるかもしれない。
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