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「本当に今日は最悪だ……」
朝から現在まで良いことなんてこれっぽっちもない。
教室で窓越しに夕日を見て、心を和ませた。
どんだけ教科書余ったんだよって、突っ込みたくなるくらい重い段ボールを職員室に届けるために廊下を歩いている。
あれ?……職員室ってどこだっけ?
「……………」
職員室って何処だよぉぉぉぉぉ!!
「はぁ……誰かに聞こ」
えーと、あ、いたいた!
後ろ姿は長髪の黒髪。
スラッとしている女性だ。
「すいませーん!」
「なんですか?」
こちらを振り向くときに髪が靡(なび)く。
微かに良い臭いがした。
可愛い。
でも、少し大人びている。
「職員室って何処……」
「部活に興味はないか?」
「……へ?」
僕の話を遮って女性が問いかけてきた。
別に入る気もないけど。
「別に入る予定は無いですけど……」
「そうか……なら案内してやる」
「ありがとうございます!」
彼女はさっきまで向いていた方に歩いて行った。
そして僕はその後について行った。
……重い荷物を持ちながら。
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