孤独と孤独

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コンコン 『……瑞樹? ごはん、いる?』 瑞樹の部屋のドアがノックされ、母の声が聞こえた。 「……いい」 『そう……』 しばらく静寂となり、瑞樹は、母が下に降りたのだろうと思っていた。 だが、そうではなかった。 『……瑞樹。最近、ちょっと帰り、遅いわよね? 何かあったの?』 「……ううん、別に」 『……お母さんたち、嫌い?』 「……」 瑞樹にとって、母は、そういうわけではない。 何より自分を大切にしてくれるから。 しかし瑞樹は、母の質問に答える気は無かった。 『……ごめんね』 母はそう言い残し、今度は去っていったようだ。 足音が、着実に遠くなっていく。 「……ぼくなんて、生まれてこなければ良かった」 瑞樹はそう呟くと、また、瞳を涙で包み始めた。 .
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