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翌日、体育の科目。
種目は、陸上競技。
「……では、いま振り分けたチームで対抗戦をおこなう。早急に順を決めて、スタートラインに立て」
教師はそう言うと、スタートラインに向かっていった。
瑞樹が割り振られたチームには、よく彼をイジメる男子が固まっていた。
瑞樹は、すでに嫌な予感を察知していた。
「おまえアンカーな」
「えっ……」
「文句あんのか?」
「……」
瑞樹は、静かに首を振る。
「で、俺が三番。おまえらは適当に決めろ」
「へいへい」
すぐに順番が決まり、瑞樹の割り振られたチームは、スタートラインに向かった。
それからまもなく、全チームが順を決め、リレーが開始された。
瑞樹は正直、棄権がしたかった。
ロクなことにならないから。
しかし、下手なことをして悪化させたくもないため、嫌々その気持ちを抑え込んだ。
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