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曳流「ご主人ご主人!席を確保しておいたらから来てくれ!」
満面の笑みを浮かべながら僕と永久先輩の間を裂いていくように割り込んできて引っ張ってきた曳流君。正にグッドタイミングと言う他ないというかナイス。
あのまま永久先輩と見つめ合っていようものなら隙あらばと必ずキスをさしてきたかもしれない……いや、していただろう。そんな事になってしまえばさっきの食堂の騒ぎなど小鳥の囀りにも感じると僕は断言出来る。
永久先輩からしたら折角いい気分だったのを邪魔されてしまったからか面白くなさそうに僕達の後ろをついていく。割りと余裕な表情ばかりこちらに向けているわけだから結構そういう顔は新鮮ではある。
永久「いきなり人の間に割り込んでくるのはどうかと思うがな?」
曳流「ご主人が困るような事をするのがわりぃんだよ、場所を考えな」
雪兎「風紀委員室でマゾっぷり晒してた君が言っても説得力皆無なんですけど」
永久「場所を考えていないのはお前も、ってか?これは躾が大変そうだな?俺があいつを番犬に躾てやってもいいんだぜ?」
曳流「あ?俺はご主人以外の野郎に躾られるつもりはねぇぞ?」
躾られる事前提で進めないでくれます?
しかもさっきからそんな会話を他の人達に聞かれているわけな上に松葉君に至ってはご主人呼びをしちゃっているから凄い周りが騒がしくて仕方ない。
「あの松葉があの桜城にご主人呼びってつまり、そういう事?」
「桜城様って女王様なんだ……道理であんなに」
「俺も桜城に躾られたい」
どうして食堂に行くとこうも問題が起きてしまうのか……いっそ認めてしまえば楽なんじゃないか?
……駄目だ、男好きでもないのに男を躾てますなんて自分の口で言うなんて考えられない。もうこのまま無心を貫いて耳栓しておこう
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