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人の頑張りを無駄にするような事をしてはっきり言って殺意が湧いてくる。
春兎「多分、もう会えないと思ったから自棄になってるんだろうな」
雪兎「たかが僕に会えないくらいでそんな事するな、って感じなんだけど」
正直溜息しか出ない。少なくとも彼等が自分に好意があったのは知っている。
でもだからと言って自分はノーマル、彼等とくっつくなんてそれこそあり得ない。いやそもそも誰得な展開だと言いたい。
雪兎「……で、僕に彼等の所へ行って欲しいと?」
春兎「そうそう、可愛い雪兎をまたあそこへ放り込むなんて出来ないんだけ一一ごふっ!」
雪兎「さり気なく近付いて抱き付こうとすんな」
全く、幾ら過保護でも限度がある事を知らないのか?
床に倒れてピクピク痙攣している父さんを無視して僕は本を閉じる。
雪兎「面倒臭い、実に面倒臭い……けど放っておくのもあれだし、仕方ないよなぁ」
自分では面倒面倒と言っているが、その表情は笑みを浮かべていた。もしかしたら心の何処かで、会いたいとか思っていたのかもしれない。
春兎(変わったなぁ、雪兎)
以前の僕は父さんにも敬語だったのに、今はそれが抜けて普通に接している。
父さんはそれを嬉しく感じていた。
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