組み立て開始

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「はい、では明日の十二時に面接を行います。時間厳守でお願い申し上げます」 「はい、では失礼します」  電話を切ってから、何となく違和感を感じた。何か変に感じたんだが、なんだろうか。でもまあ、気のせいだろう。  そのまま赤鉄町のことを調べると、そう遠くない。というよりも、隣町じゃないか。  隣町に、そんな町があったとはな。  しかし、ここで気になる記述を見つけた。  なんでもこの町は、いわゆるホラースポットなる場所が多く、怪奇話や怪奇現象が多々ある町らしいのだ。  成る程、そんな町だから人が来なくて、あんな求人を出したのか?  幽霊だなんだ、俺は信じない。とりあえず、スーツ等を用意しておいて、俺は明日に備えた。  次の日、俺は電車に揺られて、この辺境の町へやってきた。山と海に挟まれ、綺麗といえば綺麗な町だ。  とは言え駅のホームは古く、あちこち錆びたり色がくすんだりしている。  このホームみたく、寂れた町でなければいいが。  駅を出てバスを確かめると、あと十分程で来るのがわかった。俺の目的地、岩海三番地とやらも通るのだろうか。
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