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右という立て札を見つけると、白い繋ぎを着た男性がベルトコンベアの前にいたので、話し掛けてみる。
「すいません」
「あん? 誰だ? 新入りか?」
「はい。花崎吉平と申します」
「ああ、山村さんから聞いてるよ。樋口だ。よろしく」
右手を出してきた樋口という男は、がっしりとした巨躯に、短い顎髭を生やしたゴツい男だ。
俺も手を差し出し、握手する。
「そのまま奥行ってくれ。休憩所兼ロッカールームがあるんだ。そこにお前のネームプレートが入ってるロッカーがあるはずだから、そこに荷物とか入れてくれ。ああ、繋ぎも入ってっから、ちゃんと着替えてこいよ」
「はい!」
見た目はおっかないが、樋口さんはいい人っぽい。
ベルトコンベアを横に、奥へ進むと、゛右゛休憩所と書かれた表札の入った部屋を見つけ、中に入る。
「失礼します」
入口からすぐにベンチが三つあり、灰皿を囲むように配置されている。
さらに人一人通れるくらいの感覚を開けて、ベンチを囲むようにロッカーが並んでいた。
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