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「俺はさっきも言ったように生まれた直後に引き離された。唯一の家族は姉さんだけなんだよ!!例え姉さんは違う血が流れようとも!!」
「そうよ、唯一の生きる力が、クロスだけなの…クロスに会うまではずっと、死のうとしていたの…血が繋がってなくても家族、と呼んでくれたクロスがずっと心の支えなの…!」
「………わかりました…」
「なら…」
マタンが言葉を繋げようとした時
「ですがここを探してもきっと追い返されるだけです…」
「えっ…」
言葉に吃驚するマタン
「此処から奥へいけば国に住む住人を拒む人ばっかりです、行ったらきっと追い返されます」
「やっぱり…ですか…」
「残念ながら…そうなんです…でもお二人方の相手の特徴を言ってもらえば少しは私も探しますから」
「ノクスは私と同じような髪をしてるの、きっと顔つきも一緒だと思うの」
「…っ仕方がないな…俺の妹は詳しくは知らないが同じ薔薇のタトゥーが何処かにあるはずだ」
ユリアは軽く笑い
「わかりました、その二人を探しますね」
「ありがとう…ね、ほら…クロス」
「…姉さんが言うなら仕方がない…ありがとうな、じゃあ」
二人は方向を変え戻っていった
「さよなら…マタン、クロス」
「(やはり…ノクスとルインのことかもしれない…)」
周りをキョロキョロ見渡し空を見上げる
さっきとは違い黒く厚い雲が空を覆っていた
悪いことが起きそう…そう小さく呟くように言い
その場を後にする
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